熱波でエアコンがないパリで

ブログ第二弾では、7月の熱波のパリで過ごしながら考えたことをお伝えします。

私は先日2日連続の熱波(40℃越え)を
エアコンのほぼないパリで過ごし
昨日からは打って変わって涼しく
いわゆるパリの心地よい夏らしく
なっていますが、もう2週間くらい
経過したような濃い日々にオーバー
ヒートしてしまったのか、昨晩から
体調を崩し、2日間ずっと家にいます。

パリに着いてからはひたすら
フランス語会話と、私の苦手な暑さに
耐えるの連続で、もともと自律神経が
乱れやすく体温調整が苦手な私は
だいぶ疲弊してしまいました。

こんなふうに疲弊しているのは
何も私だけに限らず、フランス人の
知人も「そりゃそうだよ」といって
約束を延期してくれました。

とはいえ一人で体調が悪い状態で
ベッドに寝ていると、まさに奈良の
悪夢の再来のよう。もしかして
コロナだったらどうしよう・・・
だいぶ思い当たる節もあるし
葛根湯や薬も尽きてきた(涙)と
一人でだいぶ悶々としていました。

とはいえフランス人の知人たちに
連絡すると、ああしなさいこうしなさい
と色々とアドバイスをくれ、とりあえず
コロナのテストは受けてこようと
思います。ちなみにこちらでは
びっくりするほどの割合で、コロナに
かかった人が多いです。まぁかかっても
数日で治るから大丈夫よと言われます。
(知人の3分の2程度)

熱波の時は冷房があるというオルセー
美術館を予約しましたが、その時は
緊急で人を多く受け入れたのか、まさかの
長蛇の列が、一番暑い午後14時過ぎに
できていました。日陰もなければ
下はコンクリート。照りつける陽と
下からの熱で私のサンダルは溶ける
のではないかと思ったほど。

炎天下(42℃)オルセーに並ぶ人たち

もう引き返そうと思いましたが
朦朧とした頭で、そういえば2ユーロ
払って払い戻し可能にしたんだわと
Wi-Fiをつなぎ、払い戻し方法を
しらべてみますが、どこにも
記載されていません(涙)
私の頭はパニックでしたが
周りの人たちは帽子も日傘もないのに
文句も言わずに耐えています・・・
みんな、本当にすごい。


私は禅の国から来ましたが
不動心とはこのことかと思わされます。
心が毎回こんなに揺れるから
身体にくるんだよなと思いますが
なぜ平然とできるのかわかりません。
やっぱり「慣れ」に尽きるのでしょうか。
たぶん夏の日本に来たばかりの
外国人もあの恐ろしい湿気に
死にそうになっているのでしょう・・

ゆーーーくりと亀の歩みのように
進む列でしたが、あと5人くらいに
なって引き返すのももったいないので
結局中に入ってみました。そして
本当にオルセーはエアコンが効いていて
驚きました。が、中は渋谷か新宿か?
という人混みで、私は20回くらい
ここに来ていますが、ここまで
混んでいるのは本当に人生初でした。
たぶんオルセーかルーブルで悪い
ウィルスをもらったのだと思います。

オルセー美術館のゴッホの部屋の人混み!

熱波どうこうもありますが、現在の
パリにはものすごい量の観光客が
詰めかけています。


パリに住むフランス人たちは現在の
ホテルの価格がいかに高いか
(1泊20000円近く)話すと驚愕
しますが、ルーブルに行き、本当に
これだけの人たちが世界から押し寄せて
いるとわかると、需要に対して
供給が足りず、ホテル価格が跳ね上がって
いるのがよくわかりました。
これは多分パリだけでなく価格から
するとロンドンやウィーンも同じで
ヨーロッパの主要観光地は大変な
ことになっているようです。

先日は疲弊した身体で、留学中から
好きだったサン=ジェルマン・デ・プレの
ビュシー通りという、カフェの多い
界隈に行きました。自由闊達に
楽しそうに話している人たちの姿を
見ながら、私は一体何がしたいんだろう
もうすでにここには全てあるではないか。

パリの中でも特にカフェの活気溢れるビュシー通り

と思いましたが
でも住宅街のアパルトマンに帰宅しながら
いやいやあれはパリというフランスの
首都のサン=ジェルマン・デ・プレという
一番の中心地区の光景であって
世界のどこにでもそんな光景が
あるわけではないと思いました。

むしろそんなカフェの自由で生き生き
した姿に憧れるからこそ、世界中の
人たちがパリに憧れ、今ここに
向かっているのではないか
と思います。


私はニューヨークにも4日ほど滞在
しましたが、このような光景は目に
しませんでしたし、東京にはほぼ
ありません(屋外の居酒屋はあるけど)

また、先日はセルビアに住んで
貴族のようなよい暮らしをしていた
母親がある日全てを捨ててパリに
来たという話を知人から聞きました。
彼女にはいい暮らしはあったけど
全てと引き換えに手にしたいものが
パリでの自由だった
そうです。

カフェテラスで自由闊達に語り合う喜び!

自由ってパリでは当たり前なんですが
そしてパリの自由は往々にして
行き過ぎですが(笑)
他の国では相当貴重だったりします。
だからこそ、パリでは当然の
光景をもっと日本や世界に
増やしていくことが私の役割
なのかもしれないと思いました。

ひとくちに公共空間改善といっても
自転車道やトラムの整備など
様々な種類がありますが、私は
やっぱりカフェで自由闊達に
自分の思いの丈を語り合う
そんな場所を世界に増やしたいんだなぁ

と思います。

日本とパリは本当に地球の裏側と
言われるほど、全然違います。
英文読解の始めにも話していますが
本当に「こんな世界があったか!」と
目を丸くする感じです(その連続
すぎて疲弊したのだと思います)

とはいえ日本が大好き、帰りたくて
仕方ない!というわけでもないので
滞在中に自分の道を見つけてきたいと
思います。

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