こんにちは、World News Caféの飯田です。
今回はイタリア滞在時のメールニュースからの抜粋です。
私はベネチア5泊の滞在を終えて
今日はヴェローナに着きました。
ベネチアでは色んなことがありすぎ
イタリア料理やエスプレッソにも
つい挑戦してしまったためか
色んな意味でお腹一杯、ちょっと
消化不良な感じです。初めて
ヨーロッパに来た人が受ける
お腹一杯な印象はこんな感じ
なのかもしれないと思いました。
ウィーンはわりと秩序があり
保守的なので日本と共通点が
多く、日本人にとっては落ち着けて
親しみやすいヨーロッパだと
思いますが、フランスやイタリアは
ラテンの国。その活気や情熱も
圧倒的で、それが面白いわけですが
やっぱり色んな面で日本とは違うなぁ
と思います。
朝食のクリーム入りのパンが
死ぬほど甘かったり・・・基本的に
なんでも美味しいけど砂糖の量が
半端ないと思います。歩行者空間の
相当騒々しさもびっくり!
ベネチアではビエンナーレが
やっていたので、2日間かけて
コンテンポラリーアートの
ビエンナーレに行ってきました。
近代の芸術に関してはやはり
ヨーロッパで見るものと日本の
美術館やトリエンナーレなどで
見るものとは圧倒的に質と量の
差があります。
コンテンポラリーアートは難しい
と言われますが、だからこそ
解説を読んで理解するのも
大事なようです。
ところが私も英文読解を教えていますが
アートの解説をさらっと短時間で
最後まで読んで理解できるほどでは
ありません。短時間というのは
ほんの1分程度の、ちょっと
立ち止まって説明を読む時間です。
そんな短時間であれだけの英文を
さらっと理解できる日本人は
少ないと思いますが、その間に
外国の人はしっかりと内容を理解し
次に進んでいるんだなと思うと
アートや展覧会でも英文読解力の
差が、知識や理解力の差になって
しまうのか・・・と悲しくなります。
パリではサムライの展覧会があり
フランス人の知人がさらりと解説を
読む中で日本のことを私に説明するという
なんとも悲しい事態が起こりました。
母国語の人たちの場合は特に
読めるスピードが圧倒的に違うのです。
そして書かれている情報が濃い
わけです。
予定を変更してヴェローナに向かった
のは、さまざまなコンサートに行った
後、やっぱり総合芸術としての
オペラが観たい!という気持ちに
なったからでした。世界中から人が
あつまるヴェローナの野外オペラは
質も規模も圧倒的!なんせオーケストラ
だけで、ウィーンフィルハーモニーの
ニューイヤーコンサートの倍くらいの
人が演奏しているのです!でも
オペラだからコンサートは脇役で
主役はオペラ歌手。
めちゃくちゃ大きな円形闘技場一杯に
鳴り響く声を、おそらくマイクなしで
たった一人で出せてしまう彼女たちの
姿にはただただ圧倒するばかり。
また、ヴェローナのオペラは
やたらとキャストが多く、多分100人
以上毎回登場します。これでもか!
人件費大丈夫?と思うくらい何もかもが
本物の、しかもいちいちかっこいい
衣装を着た人間がやっているので
一体いくらかかっているんだろう・・
と気になってしまいます(笑)
まぁこれだけの人たちが世界中から
日々集まれば、いくらでも
払えそうですが・・・
とにかく舞台セットがすごいんです。
そんなヴェローナのオペラ、今回は
アイーダでしたが、そこでも私は
英文読解力の重要性を感じました。
というか、それ以前に字幕が遠すぎて
見えない!!毎回目医者さんの
視力テストか?というくらい、読めたり
読めなかったり。たまたまピントが
あった時に意味を想像して読みますが
あれ、絶対みんながみんな読めてないよと
思います。そんな字幕も、イタリア語と
英語だけなので、目がよかったと
しても、かなりの速さで英語を
解読しないといけません。しかも
オペラなのでおそらくいいまわしが
詩的だったりで難しい・・・
こんなとこでも英語って大事なんだなと
思いました。
なにが言いたいかというと
芸術というのは言葉がなくても
わかると思われがちですが
実際留学時代の私は言葉ができなかった
ので美術館に通い、うんちくはいいから
心で見ればいいと自分に言い聞かせて
いました。おかげでかなりの画家の
作品は見たら誰のかを当てられるように
なりました(笑)
とはいえ、わかっている人と一緒に行くと、
全然視点が違って本当に学ぶこと
多いのです。そしてわかっている人
というのは、美術館などに行くたびに
しっかり解説を読んでいる人です。
フランスでは声に出して読むことも
多いです。そんな人たちは学芸員の
ように、ミキ、これはね・・・と
解説してくれます。
(日本では小声で解説するだけで
怒られます!なんたる違い・・・)
感じるのも大切ですが、ある程度
わかるとやっぱり面白い。
だいたいオペラなんて何もわからずに
外国語で見たって、全くわかりません(涙)
今回はアイーダでしたが、直前まで
調べてもおらず、幕間にいそいで
ネットをつなげて脚本の流れを
理解してなんとか「これはこういう
ことかな・・・」と理解を組み立てる
ことができました。が、それも
ない状態でみてら、どんなに
美しくて迫力があっても本当に全然
わかりません。つまり隣の人
(わかってそうな外国人)との
感動の度合いが全然違うのです。
それってもったいないですよね。
私は英検一級を取りましたが
本当にまだまだだなぁと感じる
イタリアの旅です。そういえば
英語ができるようになってやる!と
決意したのは5年ほどまえのベネチア
だったので、なにか縁があるのかも
しれません。
秋からはできるだけアートの
読解も開催していこうと思いますが
アート解説って本当に難しい(涙)
でもヨーロッパにいる学芸員のように
詳しい知的な人たちは、本物を
見ることに加えてこうした解説を
さらりと母国語または英語で
読めているという、その差が
積み重なっていくんだなぁと
思いました。
ヨーロッパの壁はやっぱり厚い
と痛感しているこの1ヶ月です。
自分の部屋のベットで本を見ながら
憧れたり夢を見るのは簡単ですが
実際に少し入っていこうとすると
こんなにも大変なんだなぁ
そして本当に高度な語学力が
必要なんだなぁと痛感します。
私はフランス語、英語、イタリア語を
それなりに勉強してきましたが
日本ではそれだけで「すごーい」
と言われますが、やっぱりそれなりに
頑張りたければせめて2カ国語で
議論できるレベルにならないと
ダメなんだなと痛感している次第です。
そして英文は1分で何十行も
理解できるレベル・・・
英検一級の問題というのは
国際社会でやっていける最低限
レベルだったんだなと痛感したイタリア滞在でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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