14時間の飛行時間の中
できるだけ眠るようにと努め
でも一個だけは映画を観るか、と
数多くの映画の中から
これはというものを探してた。
選んだ映画はずっと気にはなってたけど
一度も観てない「マンマミーア」で
理由はエーゲ海が舞台だったから。
イタリアの海が見たくて旅だった私には
気分を高めてくれそうに思えたのだ。
そしたら想像もしなかったほど号泣し
スチュワーデスさんに、この人
大丈夫なのかと思われそうなくらい
飛行機の中で泣いてしまった。
映画を観ていく中で、私が留学して以来
ずっと好きで踊りに行くと盛り上がって
いた歌がほとんどこの映画由来だと
初めて知り、原作はミュージカルだとも知った。
待てよ
私が行くロンドンというのは
たしかミュージカルの本場ではなかったか。
私はそんなことに全く興味がなかったので
ガイドのページも飛ばしていたけど
どうもやっぱりマンマミーアは
ロンドンで上演されていると知る。
できたら
観てみたいなぁ。。。
という気持ちが目覚めてしまい
チケットが安く買えるところに行ってみたけど
「マンマミーアは本当に人気なので
ディスカウント席はありません。
明日のチケットはあと二枚だけど
高いですよ」と言われ、値段を聞いて
即座に断った。
でも。。。
飛行機で一個だけ選んだ映画が
マンマミーアで
長い飛行機歴でも信じられないほど
号泣したその原作が
明日の滞在中に上演されるというのに
高い!!
というその理由だけで
見過ごしていいのだろうか。
ずっと心に釘が刺さったまま
これを観たら素晴らしい門出に
なるかもしれない。また戻って
来てからでは遅すぎる!と
生まれて初めてのミュージカルに
生まれて初めて3万円という大金を払い
ついに観に行くことにした。
私がとったチケットは文字通り
最後の一席だったから、劇場は満員で
人混みで気持ちが悪くなりかけたけど
高い席というのはいい席なので
歌舞伎でもオペラでも
こんなに表情がちゃんとわかる席で
観たことない!!という最高の席だった。
個人的にはミュージカルより
オペラの方が好きかなと思ったけど
歌の迫力は素晴らしく、一人で来たのに
最後は腕を振り上げて踊ってしまい
歴史的な劇場は巨大なディスコのようだった。
私も留学してこの曲と共に踊ってから
20年。その間本当に色々あったけど
思い切って大金を払ったことで
いい門出になると信じよう。