富裕層向け通訳ガイド

桜の日々はガイドに駆り出され
雨だろうが毎日桜に触れて、今年も
見逃さずに済みました。

最近は英語の案件が多かったので
英語の単語帳を作ったりけっこう復習
したりして頑張っていたのですが
今日はだいぶ久しぶりのフランス語。
しかも8時間丸々雨降り・・・

もともと長年フランス語でガイドを
してきたのですが、大丈夫???と
かなり不安でしたが

ふたを開けてみたら
お客さんとお会いしたホテルでも
わりと流暢に話せ

その後はなんとこれまで比1.2倍くらい
フランス語が上手に話せた気がしました。
英語とチャンポンになったらどうしようと
思っていたのですが、我ながらよく
こんな細かい単語が出てくるなと
驚いた次第です。

以前私はフランス大使公邸で素晴らしい
通訳の方を何度かお見かけし、勇気を
出して、一体どうやってこんな
素晴らしい通訳をされてるんですか?
と聞いてみたことがあります。

そして期待をしていた彼女の答えは
そっけなく

「さぁ・・・」

というものでした。

私は一瞬この人は意地悪なのかな
と思いましたが、全然そんな感じの
人にも見えず、その後何度か
この答えについて考えたのですが
多分率直な感想だったのだと思います。

語学って不思議なもので

自分を意識した途端にできなくなるけど

意識しないと意外と話せたりするもので

もし私が今日誰かに「どうやって?」
といわれても「さぁ・・・」と
言うしかなかったように思います。

でもひとつだけ言えることは
ものすごくサラリとやってるように
見える人でも、過去のいつかに
歯を食いしばってめちゃくちゃ
勉強したことが絶対あるのです。

その積み重ねでサラッとやっている
ように見え、ある時から自然と
出てくるのかもしれませんが
その前にはものすごい大変な時期が
誰にでもあったのだと思います。

(私の名言は「語学なんて
吐くほどやれば誰でもできる!」)

さて、久々にフランス人の富裕層の方を
相手にした私は、これだよこれ!!
フランス人!
という感じがして面白かったです。

フランス人は世界で一番
難しいと言われる気がしますが

本当に難しい!

だからこそ、フランス人の対応ができたら
誰でも対応ができるんじゃないかと
思わされた次第です。

今日のお客様もとても良い人でしたが
質問の数が半端なさすぎ
私も随分ガイドをやってはいますが
えっそこ???みたいな思いもかけない
変化球でくるわけです。よくそういう
視点になるよな・・・と思ってしまいます。

そして今日本当に痛感しましたが
国際教養講座は富裕層向けガイドに
憧れている方にはかなり役立つと
思います。

なぜなら

富裕層は日本になんてあまり
興味がないし、知らない
→彼らが理解できるように
欧米の例で例えないといけない
「たとえばルネッサンスでは・・・」
「たとえばカトリックでは・・・」
こういうのがめちゃくちゃ
大事になるわけです。
豊臣秀吉がとか、石田三成がとか
言っても無駄だと思います。

私はもともとフランスのカフェ文化の
研究をしており、カフェに集った
芸術家についても詳しいので
向こうの文化をよく知っている
というのがだいぶ役立っていると
思います。

また、彼らは本当にアートが
好きなので、多くの場合一緒に
美術館に行くことになります。
その美術館というのはけっこう
難易度の高い国立博物館のような
場所でもありますが(いちいち
説明するんですよ!大変・・・!)
箱根に行くと彫刻の森だったりします。

彫刻の森なんて全然日本と
関係ないですよ。ピカソとか
フランスのアートとか。なぜか
わからないですが、日本のガイドなのに
そういう説明をすることになるんです。

あとはやっぱり歴史を流れで
とらえること。これがとても
大切ではないかと思います。

国際教養講座はあくまでも世界を
目指したい人を助けるための
講座であって、日本のガイド養成
講座ではないので、日本史をみっちり
やることはありませんが、歴史を
流れでとらえ、そのコントラストや
何が重要なのかを説明できる
それが大切なのではないかと思います。

私がどうやって大変なガイドを
こなしているかというのは
「さぁ・・・」というアドリブの
連続でしかありませんが、お客さんの
信頼を得るためには私はちゃんと
ヨーロッパのことを知ってますよ!
とアピールするもの大切では
ないかと思います。

あとせっかくなのでお伝えしますが
とにかく絶対に話を切らさない。
これがめちゃくちゃ重要だと
私は思っています。なんでもいいから
思いついたら言うのです。

これは語学を教えていて
思いますが日本人は苦手な人が
多いのではないかと思います。
こういう点は大いに国際教養講座で
鍛えたいと思っています。
受身な態度ではいけないのです。

ちなみになぜ私がガイドを
しているかというと、別に日本を
外国人に知ってもらいたくて
たまらないからでは全然なく
(そんなことより日本の次世代に
知ってほしい!そういえば4月
20日にお茶会を開催します)

ガイドの仕事は日本で一番
外国に近い気がするし
ものすごく鍛えられるからです。

お客さんは昨日着いたばかりで
日本語の挨拶を一つも知らず
日本に住む外国人とは打って変わって
欧米の価値観を完全に背負って
日本にやってきます。

だから私は話をしていて
楽しいですし、最近のニュースに
ついての意見も聞けたり
一緒にいるだけで私が旅して
いるみたい。スイスのお客さんから
ランチの時にずっとスイスの
素晴らしさについて教わったり・・・

そんな人たち相手に1日8時間くらい
外国語で話すわけですので
ものすごく疲れますが、ものすごく
鍛えらるわけです。もしも自分が
外国に住んで会社に入っても
ここまで自分が話す機会はないと
思います。

これを続けていると、私のように
パリで380人相手にお茶会!と
なった時でも、まぁお客さんが
増えただけか、みたいな気持ちで
説明ができるようになるわけです。

なので、日本にいながら
こんなにも外国と近く
自分が鍛えられ、かつ自分の話に
聞く耳をもってくれる人に出会える
それって本当にありがたい
貴重な機会だと思っています。

しかも自分がヨーロッパに行って
初めて理解できますが、日本で
出会うお客さんたちって
自分が一人でヨーロッパを
旅行しても絶対に出会うことも
なければ入れてもくれないような
世界で生きている方なのです。
そんな人と仲良くなって向こうで
会えることもあるんですよ。

ですのでいつか海外を目指したい!
という方にはガイドの経験は
絶対に役に立つと思いますよ。
だって、海外に行ったら必ず
日本について聞かれ、多くの場合
恥をかいて終わるわけですから。

国際教養講座では日本関係のコマは
12コマのうち3コマですが、
オプション講座でガイドツアーや
茶道・着物体験なども開催します。
いつの日かガイド養成講座ができたら
面白いかもと思い始めていますが
そんな日があるかはわかりませんので
自分のレベルを上げて世界を目指したい方
いつか海外に住むのが夢という方
留学をしたい方など、ご参加
お待ちしています!

By Miki IIDA

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